ホームレスとは狭義には様々な理由により定まった住居を持たないで公園や路上などで生活する人のことを指しますが、広義にはホームレスとは家賃滞納、再開発による立ち退き、ドメスティックバイオレンスのため自宅を離れなければならない人など住宅を失う危機にある人のことも指します。そして近年の経済危機による雇用の低下や派遣切りなどで多くの人が済む家を失い、その場しのぎでインターネットカフェに泊まる「ネットカフェ難民」やマクドナルドで多くの時間を過ごす「マック難民」や車上生活者もホームレスというカテゴリーに含まれる傾向にあるようです。
とても深い作品です。
表紙の「世界最貧民の目録」という言葉から、貧困の人々に密着し、特定の人を主人公とするような内容を想像してましたが、違ってました。
世界の貧民街を熟知する著者だから書ける貧困の人々の分類やプライベートまで踏み込んだ世界、生き方、生活。
物凄く重いテーマであるにも関わらず、著者の文章には随所に笑いが散りばめられており、また優しく噛み砕くように書かれており、さらに明るく・・・プロのライターとしての余裕と技を感じました。
読み終わった後は、考えさせられると同時に、今まで知らなかった世界の扉が開かれたような、すっきりとした印象でした。
他の作品にも是非、目を通してみたいライターさんです。
写真や分かりやすい図解が多いです。作者の語り口も面白く、重い内容を軽く読ませてくれます。
そういう世界(絶対貧困の社会)があることを薄々は知っていても、実際には知らないことだらけでした。作者の冷静な目を通して、貧困社会がリアルな現実として伝わってきます。ショッキングな内容も多いのですが、子供も含め、多くの人に読んでもらいたいと感じました。だって、これが現実なんだし。
ここまで取材して伝えてくれる作者に感謝です。
この本の著者は、長年にわたり世界各地のスラムで取材を行い、レポートを発表している。
ここ数年の“貧困”をキーワードにしたブームに乗った軽薄な本とは一線をなしている好著だ。
著者の視線には、社会学者のレポートのような、統計数字だけから論じる上からの冷たい目線はない。
かつ、悲惨さを強調したいあまり、貧困の表面だけを追った低レベルな突撃レポートでもない。
レポートの対象者の貧困度は、日本ではおよそ考えられないようなレベルだ。
施しを受けるために、手足を切断されたり、目をつぶされたりする子供達。
売春婦になるように育てられる少女たち。
誘拐され、戦場へと狩り出される少年たち。
幼い頃から、貧困ビジネスの道具としてしか生きられない彼らの姿は痛々しい。
しかし、幼い頃から貧困の中で生活し、情報も知識も少ないことからか、
自分達の生き方を、諦観を持って受け入れているような彼らの姿が見えてくる。
著者の論調は、あくまでも淡々としている。
実際にスラムの中に入り込み、彼らと生活をともにしたレポートだが、
必要以上に惨めさを強調するわけではなく、社会正義を掲げ先進国の支援を訴えるものでもない。
「私は、あくまで現状を伝える。後は読者が判断してほしい」というスタンスだ。
しかし、かえってそこに著者の「貧困をなくしたい」という強い意志が感じられた。
旅先で貧困から物乞いをする子供たちの姿をみるとき、
「さてどうしよう?」頭を悩ませる。
海外にに来ることができるほど、自分には金銭的な余裕がある。
だが、さまざまなものを我慢し貯金をしたからこそ来ることができた。
物乞いに金銭を与えるべきか?同情したところできりがないから無視するべきか?
この本を読んでもやはり自分の中での答えは見いだせないでいるが、
確実に目線が変わってきている。
世の中の日影で暮らしている人々に逸らしていた視線を向けることができるうようになる。
自分の中で勝手に作り上げていた「イメージ」が、実はそんな簡単な問題ではなく、
大きな苦しみを乗り越えての結果であったりする。
この本は貧困の現実を平和な日本人に、笑いながら、泣きながら、自分の問題として
とらえることだ出来るように学ばせてくれる。タイトルや表紙に気後れせずに、まずは
この本を手に取る勇気を持つことから始めてほしい。
この種の短いリポート等は何度も読んだことはありますが、この本は、実際に各国で貧困層の人々と生活を共にした経験にもとづく貴重な一冊でしょう。私もインド等で上層、中層、下層、貧困層の人々の生活を短期間ですが経験させられました。そして、各層の人たちとの付き合い方、礼儀を厳しく教えられました。著者の実体験が少々ですが分かります。しかし、貧困層の人たちは惨めに見えますが、実際には惨めさを我々には感じさせません。生きるのに精いっぱいだからです。この著書の内容は全て、その通りに記述されていると思います。著者の三部に分けられた記述は、貧困層の本質をしっかりと捉えていると思います。私は彼らを可哀想、悲惨だ、何とかせねば・・・なる感情は感じませんでした。読者は頭で感ずるだけで、著者の実体験の一部を想像するだけです。著者は心身全体で経験なさった・・・著者の温かいハートが私には文章の行間から感じられました!この本をそのまま理屈なしに読んで受け止めたいな〜。著者の GOOD JOB でしょう!!
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