高齢化社会は現在日本が抱える問題のひとつです。高齢化社会とは、高齢者の増加により、人口構造が高齢化した社会のことを言います。指標としては総人口に占める高齢人口(65歳以上)の比率が高まっていくことを指します。高齢人口の増加の一方で、年少人口の減少とが同時並行的に進んでおり、2つの現象を合わせて少子高齢化と呼ぶことも多いようです。近代以降、人口爆発を経験した先進諸国は、人口安定的と予想された少産少子社会の実現を目標としてきましたが1970年代に急激な合計特殊出生率低下以降、少子化が起き、年少人口は減少し続け、人口ピラミッドは口がつぼんだ壺型へと変化し、高齢化率が急上昇しています。このように、高齢化社会は総人口、年少人口が安定または減少する中で、高齢人口が相対的に増加していくことによって生じるようです。
医療制度を崩壊させた小泉改革が、高齢者医療においても猛威をふるっている。
財政面だけに則った現実を直視しない政策では、高齢者や障がいをもつ弱者に生活・医療両面で難民が出るであろう予測は、立案当初よりあったはずだがごり押しした結果、予測通りに現在では家庭・医療・介護で高齢者を押し付けあっている状態となっており、老老介護や介護殺人も増加している。
そんな中でも本書のように成功している例もある。
だがそれは特別な例で、それ故本になるのであり、無理なくそのように移行できると読者は努々思うべきではない。
例えば在宅で血圧・心電図データを、毎日公立病院に送信し、560台・1200人の患者や家族を、保健師3人で月に1度グラフ化し、手紙を送っている秋田・大森病院、外来診療・訪問診療・看護・介護・グループホームを連携させた多摩の医療法人等の例を本書では取材しているが、果たしてこの例に近い医療機関は読者の近隣にあるだろうか?
地域医療を担う強い意志とプライドを持つ医療スタッフ、その医療機関を大切に思い支えようとする地域住民との連携によりその病院は活きてくる。
サービスを求めるばかりの患者や住民に、どのようにしてその気付きを起こさせるのか?
本書ではそのノウハウについてまで触れられていないが、地域の特色を活かした住民参加は必須で、応益負担を求めるばかりではそのツケは必ず自分にまわってくるだけで解決には向かうまい。
筆者は、「自閉症裁判」の著者であり、自閉症等の障害をもった者への社会的アプローチについて一定の評価を得ておられますが、3年にわたる取材の結果、これらの障害者と高齢者とで共通の問題点を抱えていることが分かったことから、本書の執筆に踏み出されたようですが、
・ 著者は「高齢者」「医療」が専門ではなく、これらの専門家等からのヒアリングに頼らざるをえないこと
・ 現場の実情の描写→後期高齢者医療制度導入の批判、代替案…と展開していけば分かりやすいのでしょうが、これらがごっちゃになっていて、端的に言えば分かりにくく、読みにくい
・ (上記のほか、結論が分かっている)作者の頭の中ではつながっていても、読み手にとっては話がつながっておらず、若干飛んでいるような記述が散見されるなど、読みにくい
等と感じました。
本テーマの書物は他にもいろいろと出版されており、いろいろと見比べてから買えばよかったな、とちょっぴり後悔しています。
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